ある現役の研究者の話を聞いた時、その人は憤慨しながら「‘So what?’といいたくなる研究の最終目標とは何だ」と言っていた。
つまり、一つのテーマを突き詰めて研究する。それは当たり前なのだけど、普通ならそのいくつかを網羅的にして自分の構想を点と点で形作っていくもの。どんどん星を加えて星座を作るみたいなものかもしれない。
だから普通ならその研究に触れた時、いくつもの他の問題との接点が生まれて放射状に、もしくはネットワーク状に複数のテーマと関連づけられていく。
でも‘So what?’だと、話はそこで終わって、周りの点と結びつけられない、紋切型の「話」になってしまうとことらしい。
そういう本の内容とか、そういった話をする人は、何が目的なのかを知りたい。
だって話が広がらない、「そんで?」で終わる。
会話だと、みんなで流行ものについて話していたら、突如、自分のマイブームについて語り出されたようなところだろうか。
「そんで?」続くの?落ちは??今この空間を占めている共通の心象にどう影響させようとしている???そんで、たいていの場合は「え?それだけだけど?」
こんなふうに、せっかくその場の人間がお互いの糸をつなぎ始めたのを、ハサミで切り離すような作業をする。
本人は終わってるつもりで満足だけど、それ以外の人にとって終わっていない話は落ち着かない。話って、終わらないとダメなものだったのかと思い知る。